住友林業、売上高2.2兆円で過去最高 住宅事業好調も米国市況で利益減【2025年12月期決算】

住友林業が発表した2025年12月期の連結決算は、売上高が前期比10.4%増の2兆2,675億円となり、過去最高を更新した。一方で、米国住宅市場の停滞や資材価格の高騰などの影響により、営業利益や最終利益は減益となった。住宅事業は国内を中心に好調を維持したが、海外の住宅・不動産事業が利益を押し下げる形となった。2026年12月期は売上高2兆5,900億円を見込み、さらなる事業拡大を図る方針だ。 

売上は2兆円超え拡大、利益は減少

2025年12月期の連結業績は、売上高が2兆2,675億円(前期比10.4%増)、営業利益は1,687億円(同13.3%減)、経常利益は1,749億円(同11.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,066億円(同8.5%減)となった。 

売上高は住宅事業や海外事業の拡大により大きく伸びたものの、利益面では米国住宅市場の減速や資材コストの上昇が影響した。営業利益率も前期の9.5%から7.4%へ低下している。

同社は2025年から3カ年の中期経営計画「Mission TREEING 2030 Phase2」をスタートさせており、脱炭素化やグローバル展開の深化、収益力向上などを重点テーマとしている。2025年はその初年度として、国内外でのM&Aや事業基盤の強化を進めた。

国内住宅は好調、受注・単価ともに上昇

住宅事業は売上高5,853億円(前期比7.9%増)、経常利益412億円(同17.3%増)と好調だった。

戸建注文住宅では、セミオーダー型住宅商品「Forest Selection BF」や設計提案型の「邸宅設計プロジェクト」が顧客ニーズを取り込み、受注が堅調に推移。前期の受注残を背景に販売棟数と販売単価の双方が上昇し、業績を押し上げた。

また、賃貸住宅分野でも木造建築ブランド「The Forest Barque」を中心に受注が拡大した。さらに、2025年には賃貸マンション開発を手掛ける不動産会社を子会社化し、都市部での賃貸住宅事業を強化している。

リフォーム事業も、断熱性能向上など環境配慮型リフォームの需要拡大を背景に堅調に推移した。

米国住宅市場の低迷が重荷

一方、建築・不動産事業は売上高1兆4,111億円(前期比13.8%増)と拡大したものの、経常利益は1,197億円(同18.8%減)となった。

最大の要因は米国住宅市場の停滞だ。住宅ローン金利の高止まりや景気の不透明感により住宅購入を控える動きが広がり、販売戸数が減少した。米国では戸建住宅事業のほか、建築部材の設計・製造・施工を一体化した「FITP事業」も展開しているが、住宅着工の低迷により収益が伸び悩んだ。

不動産開発事業でも、米国の不動産市況の停滞により集合住宅や商業施設の売却を一部延期するなど、事業環境の厳しさが影響した。

一方、豪州の住宅事業は政策金利の引き下げなどを背景に住宅市場が回復し、販売が拡大。さらに、2024年に持分を取得した住宅大手Metriconグループの連結効果もあり、業績は堅調に推移した。

木材・資源事業は明暗

木材建材事業の売上高は2,529億円(前期比0.1%減)と横ばいだったが、経常利益は127億円(同27.5%増)と増益となった。

バイオマス発電向け木質燃料の販売拡大が数量増につながった一方、日本国内の新設住宅着工戸数の減少により木材・建材販売は伸び悩んだ。ただし、M&Aに伴う負ののれんの発生などが利益を押し上げた。

資源環境事業は売上高267億円(前期比0.7%減)、経常損失12億円となり赤字に転落。ニュージーランドの森林資源事業での自然災害や、木質燃料価格の高止まりが影響した。

同社は森林資源の活用や炭素クレジット創出などを通じ、環境ビジネスの強化を図る考えだ。

資産拡大、投資継続

2025年末の総資産は2兆5,720億円と、前期末から3,045億円増加した。米国での住宅開発事業拡大に伴う販売用不動産の増加や、不動産開発投資の拡大などが主な要因だ。自己資本比率は39.0%となった。

キャッシュフローでは、営業活動による資金は946億円の増加となった一方、投資活動では集合住宅開発などにより1,447億円の資金を使用した。積極的な投資姿勢が続いている。

2026年は売上2.6兆円を計画

2026年12月期の業績見通しは、売上高2兆5,900億円(前期比14.2%増)を見込む。一方、営業利益は1,570億円、純利益は950億円と減益を予想している。

同社は米国や豪州での住宅事業拡大、国内の中大規模木造建築の推進などを成長戦略として掲げる。また、脱炭素社会への対応として、木造建築の普及や森林資源の活用などを進める方針だ。

株主還元では配当性向30%以上を目安とし、2025年12月期の年間配当は株式分割後ベースで1株53円となる見込み。2026年は年間50円の配当を予定している。

木造建築と海外事業が成長の柱

住友林業は、森林資源から住宅、建築、不動産までを一体的に展開するビジネスモデルを強みとしている。近年は海外住宅事業の拡大とともに、中大規模建築の木造化にも注力しており、環境配慮型建築の需要を取り込む戦略を進めている。

世界的に脱炭素化が進む中、木材はCO₂を固定する建材として注目されている。住友林業は森林資源と木造建築技術を組み合わせることで、環境価値と経済価値の両立を目指す。

住宅市場の変動という課題を抱えながらも、同社はグローバル展開と環境ビジネスを軸に中長期の成長を狙う構えだ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました